【寸劇】
石田:俺の所為じゃない。 山神:いや、お前の所為だ。 石田:何でだ。 山神:お前は、アイツの、親友だった。そうだろ。 石田:だからって、何で俺の所為に成るんだ。俺の所為じゃない。 山神:いや、お前の所為だ。 石田:何でだ。 山神:お前は、アイツの、親友であり、良き理解者だった。そうだろ。 石田:ああ、だからって、何で俺の所為に成るんだ。俺の所為じゃない。 山神:いや、お前の所為だ。 石田:何でだ。 山神:お前は、アイツの、親友であり、良き理解者である、フリをしていた。そうだろ。 石田:違う! 山神:違わない!お前の所為だ! 石田:違う!俺の所為じゃない! 山神:違わない!お前の所為だ! 石田:違う!俺の所為じゃない! 山神:違わない!お前の所為だ! 石田:違う!俺の所為……………………。 山神:…何だよ。 石田:俺の所為……………? 山神:何だよ。 石田:俺の所為…なのか? 山神:ああ、そうだよ。お前の所為だ。 石田:俺の所為なのか? 山神:そうとも。そもそもお前さえ居なければ、こんな事にはならなかった。 石田:本当か…? 山神:本当だとも。お前さえ居なければ。 石田:俺さえ居なければ…。 山神:お前さえ居なければ。 石田:俺さえ居なければ……アイツは死ななかったのか? 山神:そうとも。お前さえ、居なければ。 石田:俺さえ居なければ……アイツは死ななかった。 山神:お前さえ、居なければ。 石田:俺さえ、居なければ。 山神:お前さえ居なければ。 石田:俺さえ居なければ。 山神:お前さえ居なければ! 石田:俺さえ居なければ! 山神:お前さえ居なければ! 石田:俺が……………………………………………………死ねば。
【屋上】
独りぼっちの屋上は、夏でも寒くて、 寧ろ「冬である。」と言いたげな風。 白い息の代わりに出た溜め息が、 強過ぎて。
頭到、震えが止まらなく成った僕と、 冷や汗。其れを靴は見て居た。 全部押し殺した僕を包んだ空が、 青過ぎて。
「ひょっとして、怖いのかい?」 「解からない自分が。」 「そして、解かろうとしない自分が。」 「怖いのかい?」
独りぼっちの屋上だ。紛れも無い事実。 其れに、こんなに綺麗な青空だ。 でも其の色は、僕には何うしても、 強過ぎだ。
「解かったぞ。怖いんだろう。」 「解からないふりが。」 「そして、前迄の解かったふりが。」 「怖いんだろう。」
残された僕は今に潰されてしまいそう。 何に?空に?風に?君に? 誰の所為かは解かってる。 流されて消えて行く予定の溜め息は、 全ての血までも洗って呉れるなら、良いのに。
でも事実。 僕の所為。 ただ、寒いだけの、
屋上。
【MC】
石田:いえーい。 山神:きゃーきゃー。カッコイイー。 石田:いきなり訳の解らない寸劇が飛び出しましたけれども、今回は水槽の一日さんとのツーマンという事で。 山神:貞操! 石田:ね。僕らなんかが水槽さん達とやっちゃって良いのかなんて思ったりして居る訳で御座居まして。 山神:貞操! 石田:あ、今日は会場限定配布デモテープ用意して居りますので、持ち帰ったりしちゃって下さいませー。 山神:貞操! 石田:あ、要らない。そうですか。僕らも要らないんですよ此れ。 山神:貞操! 石田:でも、あの、此れー…2種類も有るんですよね。嗚呼ー、深夜のテンションで作り過ぎちゃったなぁ。 山神:貞操! 石田:えーっと、まぁいいや。では此の、今回の配布デモテープから2曲程続けて。えーい。 山神:貞操!
【ヒトリキリ。】
一。 僕は四面体の中 ずっと独りきり 君は四面体の中 もっと独りきり
1 僕 1 君 1 僕 1 君 1 僕 1 君 1 僕 1 閉じこまった
一。 僕は四面体の中 ずっとそのままで 君は四面体の中 もっとそのままで
1 僕 1 君 1 僕 1 君 1 僕 1 君 1 僕 1 そのまま出会って
僕のこと君は好き 君のこと僕は好き 僕らは君らを好きで 僕のこと君は好き 君のこと僕は好き 君らは僕らを好きだ
離れない
一。 僕ら集合体の中 ずっと二人きり 君ら集合体の中 ずっとそのままで
1 僕 1 君 1 僕 1 君 1 僕 1 君 1 僕 1 そのままが良い
僕のこと君は好き 君のこと僕は好き 僕らは君らを好きで 僕のこと君は好き 君のこと僕は好き 君らは僕らを好き
だったのに
僕のこと忘れてよ 僕のこと忘れてよ 君のこと忘れるから 君のこと忘れるよ 君のこと忘れるよ 僕のこと忘れてよね
君のこと忘れたよ
君のこと忘れたよ
僕は
僕を
忘れちゃったよ
1 僕 1 君 1 僕 1 君 1 僕 1 君 1 僕 1 君
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
0
【恋愛ノイローゼ】
君に良く似た景色の夢を見ました。 青くて、青くて、青い空。 たった一本の飛行機雲が、全てを切り裂いてしまいました。
不意に怖く成って、悲しく成って、目を開いてみて、先ず見えました、 君が呉れたセンスの無いマグカップ、床に叩きつけて割りました。
「息を、荒げて。」
君を思い出すとイライラして来ます。 無性にハラワタが煮えくり返ります。 でもそれはきっと自分自身に対しての情けなさを思っての怒りなのでしょう。 解っては居るけれど止められないのです。 君を思うと込み上げる嗚咽と涙。 其れが君の為の涙か如何かは、良く解らないのですが―――――。
出会わなければ良かった。 涙しか残らないのなら。
街の明かりが霞んで見えます。 ぼんやりとした僕に同化します。 突然聴こえた踏切の音に、目眩を感じてヒザをつきます。
ふと気がつくと、平穏だった、「君と」が終わった、あの日に重なって、 乾いたアスファルトに、ポタリと冷たい弱音を零しました。
「胸を、押さえた。」
君を思うと切なく成って来ます。 心痛むと言いますか何と言いますか。 もう終わってしまったあの日の君に対しての恋心を今更―――? 情けなさ過ぎる感情などは要りません。 街の明かりの弱さに負けてしまって居た、 僕を何処かに隠してしまいたいのですが、其れがまるで出来なくて―――――。
出会わなければ良かった。 涙しか残らないのなら。
あの日のことが忘れられず、何うしても込み上げる涙。 思えばあの日が、僕の病気を作り上げてしまったんですね。
君が告げた「さよなら」による後遺症。 何を見ても君を思ってしまう病。 君との恋が僕にもたらしたのは、恋愛ノイローゼ。
いつまで背負えば良いのだろう―――。 でっちあげの君への憎悪、割れたマグカップを。 情けない僕への嫌悪、濡れたアスファルトを。
出会わなければ良かった。 |